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ワインの種類はこの4つ!基礎知識として押さえたい違い

ワイン
コンテスト・コンペティション
posted on 2022-11-14
updated on 2022-11-14

ワインは星の数ほどありますが、それをカテゴリー分けしようとするならば「スティルワイン・スパークリングワイン・フォーティファイドワイン・フレーバードワイン」の4つとなるでしょう。ここでは、それぞれの製法や特徴、そしてその楽しみ方について解説していきます。

■種類ごとの特徴

種類特徴分類されるワイン
スティルワイン基本的に発泡なし・赤ワイン
・白ワイン
・ロゼワイン
スパークリングワイン泡が生じているワインのこと。 0.5~1気圧までは「微発泡」、1~2.5気圧までは「弱発泡」として区別されるが、一般的に「スパークリングワイン」とされるのは3気圧以上のもの・シャンパーニュ(シャンパン)(フランス)
・クレマン(フランス)
・フランチャコルタ(イタリア)
・プロセッコ(イタリア)
・ランブルスコ(イタリア)
・カヴァ(スペイン)
・ゼクト(ドイツ)
フォーティファイドワイン「酒精強化ワイン」とも呼ばれる。アルコール度数が非常に高い。長期保管に向いている・シェリー(スペイン)
・ポート(ポルトガル)
・マデイラ(ポルトガル)
・マラガ(スペイン)
・マルサラ(イタリア)
・VDN(フランス)
・VDL(フランス)
フレーバードワイン果物やハーブなどで香り・味を付け加えたワインを指す・サングリア
・ヴェルモット
・グリューヴァイン
・レツィーナ
・リレ ブラン アペリティフ

■各ワインの成り立ち

種類発泡アルコールの添加ハーブやスパイスの添加
スティルワイン---
スパークリングワイン○(3気圧以上)--
フォーティファイドワイン--
フレーバードワイン--

ワインの種類は製法によって4種類に分けられる

多くの人を魅了し続けて止まないワインですが、それぞれ違った味わい、魅力があります。
冒頭で説明した4種類のワインについて、詳しく見ていきましょう。

スティルワイン

スティルワインは、私たちにとって最も身近なワインのことです。
泡を伴っておらず(※ただし、無農薬のブドウを使うなど可能な限り自然の製法で作られる「ビオワイン」といった一部のワインには、目に見えない程度のプチプチとした小さな泡を感じることはあります)、度数は7パーセント~17パーセント程度であり、果物やハーブなどを使わずに作り上げたものです。

スティルワインには、白ワイン、赤ワイン、ロゼワインがあります。
ブドウの育て方や細かな醸造方法はワイナリー(ワイン醸造所)によって異なりますが、白ワインはブドウの果汁のみで作り、赤ワインは種や皮も使って作り上げるという違いがあります。これによって、「色の違い」が生まれるのです。

なお、ピンク色のロゼワインには、以下の3種類があります。

  • ・赤ワインと同じ製法で作った上で途中で皮を取り除く方法
  • ・色味の強いブドウの果汁を使って自然に色づかせる方法
  • ・白ワインと赤ワインを混ぜて作る方法


世界中で作られているワインの中で、スティルワインはもっとも多くの割合を占めます。そのため味も千差万別です。料理や好みに合わせて自在に選び分けられるのが、スティルワインの楽しみだといえるでしょう。

スパークリングワイン

スパークリングワインとは、「発泡性のあるワイン」のことをいいます。
一般的に「スパークリングワイン」というと3気圧以上のものをいいますが、0.5~1.0気圧のものは「微発泡」、1.0~2.5気圧までのものを「弱発泡」とし、これも「発泡ワイン」に含むことがあります。

スパークリングワインのなかでもっとも有名なのは、「シャンパーニュ(シャンパン)」です。シャンパーニュはフランスのシャンパーニュ地方で、定められた製法に従って作り上げたスパークリングワインにのみ冠することが許される名称です。

例えばスペイン産のカヴァなどは、シャンパーニュとまったく同じ製法で作られているスパークリングワインではありますが、スペイン生まれであるため「シャンパーニュ」とは名乗れません。

つまり、スパークリングワインのカテゴリーのなかに、ほかのスパークリングワインとは区別される形でシャンパーニュがある、と考えるとよいでしょう。

醸造方法は、ワイナリーや製品によって異なりますが、もっとも伝統的な方法としては、まずスティルワインを仕込み、その後に二次発酵で炭酸ガスを発生させて、澱(オリ・ワインの中の浮遊物や沈殿物)を抜くといった手順を取ります。

フォーティファイドワイン

フォーティファイドワインは、非常にアルコール度数が高いお酒です。
ワインの製造過程において、さらに高い度数を持つお酒(ブランデーなど)を添加して作るもので、気候的にワインが傷みやすい地域でも、ワインを長く楽しむために生み出されました。

フォーティファイドワインの代表例として、強い甘味を持つ(ただし現在は辛口もわずかなら流通している)、ポルトガルの「ポート」や、白ブドウを使って作られるスペインの「シェリー」などが挙げられます。

フォーティファイドワインはその度数の高さから、非常に長持ちすることで知られています。100年以上も前に作られたフォーティファイドワインのなかには、未だに「現役」で飲まれているものもあります。

フレーバードワイン

フレーバードワインとは、スティルワインなどにハーブや果物を加えて作るワインをいいます。「アロマタイズドワイン」の名前で呼ばれることもあります。

フレーバードワインの代表例は、「ベルモット」と「サングリア」です。

ベルモットは白ワインにコリアンダーなどを配合して作られるワインであり、かの有名な007の作中にも出てくるカクテル「マティーニ」の材料としても知られています。

赤ワインにオレンジや砂糖を加えて作るサングリアは甘味が強く、お酒が苦手な人でも飲みやすいと評価されています。ちなみにサングリアは、温めて楽しむこともできます。

フレーバードワインはしばしば「ワイン本来の楽しみ方とは異なる」と言われることもありますが、従来のワインとはまた違った面白さを持ちます。すでに完成されているフレーバードワインはもちろん、余った赤ワインなどを使って自宅でフレーバードワインに「仕立てて」見るのも楽しいものです。

ワインの基礎知識として種類の名前と違いを知ろう

ワインには数多くの種類があり、それぞれに面白さがあります。王道中の王道スティルワイン、華やかな雰囲気で楽しめるスパークリングワイン、長期熟成にも耐えられるフォーティファイドワイン、そして個性的な味が楽しめるフレーバードワイン……。

スパークリングワインしか飲まない、赤ワインと白ワインしか知らなかった、という方でも、ワインの個性を知ることで、楽しみ方は無限に広がります。いろいろ試してみて、自分の好みのタイプを見つけていってくださいね。

鍋谷萌子 icon_twitter
・ワインコンシェルジュ
ワインコンシェルジュ・コムラードオブチーズ/フードアナリスト/フードコーディネーターの資格取得者。自宅にオーダーで作らせたホームバーがあり、500種類以上のカクテルを作成・撮影・テイスティングしてきた経験があります。ワインのテイスティング経験は1000件以上、以前は海外のワイナリーを個人でまわっていました。
「料理に合うお酒」「お酒に合う料理」の提案も得意です。