日本酒飲み比べ・味わい特集(8/23)
posted on 2022-08-23
updated on 2022-08-23
はじめに
日本酒の生産量・消費量は1973年をピークに年々減り続けていますが、高ランクの日本酒は逆に増えています。近年和食人気とともに日本酒が海外でも飲まれるようになり、国内でも日本酒をワインのように楽しむ人が増えているのです。
中でも日本酒の中でも最高ランクの純米大吟醸が、どのようなお酒なのかをわかりやすく解説。おすすめの純米大吟醸3銘柄を紹介します。
純米大吟醸の特徴
日本酒のランクの決め手となるのは精米歩合です。精米歩合は原料米の削り具合のことで、玄米の状態から削った後に残った重量の割合(%)で表します。
普段私たちが食べている白米は精米歩合90%程度ですが、純米大吟醸は精米歩合50%以下。玄米から半分以上削った米を原料に使った、とても贅沢なお酒なのです。
日本酒には、純米大吟醸とよく似た大吟醸という種類もあります。大吟醸も純米大吟醸も精米歩合は50%以下ですが、純米大吟醸の原料が「米」、「米こうじ」、「水」だけであるのに対し、大吟醸はこの3つに加えて「醸造アルコール」も使います。
醸造アルコールは焼酎のような蒸留酒で、これを加えることで酒の味が綺麗にまとまりやすいことが特徴です。
おすすめの純米大吟醸
純米大吟醸の一番の魅力は、フルーツのような華やかさと、米由来のふくらみのある香味を両方楽しめることです。今回は、純米大吟醸の魅力を存分に楽しむことができる、有名銘柄からおすすめの日本酒を3銘柄ご紹介します。
八ヶ岳に咲く可憐な花々をイメージして醸した作品
真澄 純米大吟醸 山花(さんか)
もぎたての和梨を思わせる淑やかながらも生き生きとした香りが上品な印象をつくります。口に含むと流麗な味わいが広がり、優しい余韻へと導かれます。青く澄んだ八ヶ岳の空の透明感を想わせる可憐な純米大吟醸です。
相性の良い料理
寿司ならサヨリのにぎり、その他、カブの浅漬け柚子風味、ウドの酢味噌和え、帆立と貝の香り揚げ、リンゴとくるみ・クレソンのサラダ、ジェノベーゼパスタ、豚肉のソテー桃ソースなど。
透明感のある綺麗な味わいと ふわっと広がる上品な甘やかさ
八海山 純米大吟醸
すべて手づくりの麹と、八海山の雪解け水が湧き水となった「雷電様の清水」で醸した純米大吟醸。45%にまで精米した山田錦と五百万石に加え、美山錦を組み合わせることで、純米でありながら八海山らしい、切れのよい飽きの来ない純米酒に仕上げました。透明感のある綺麗な味わいに、ふわっと広がる上品な甘やかさが料理を引き立てる、少し高級な食中酒です。
味わい
アルコール度 15.5%
日本酒度 +4.0
酸度 1.3
アミノ酸度 1.2
使用しているお米・酵母
麹米 山田錦
掛米 山田錦、美山錦、五百万石他
精米歩合 45%
使用酵母 アキタコンノNo.2
春の季節限定 純米大吟醸 うすにごり・生
酔鯨 純米大吟醸 花ごろも
高知県の酒造好適米「吟の夢」で醸した、酸味の感じる軽快な飲み口の純米大吟醸と、酒造好適米の最高峰「山田錦」で醸した、豊かな吟醸香と上品な味わいを持つ純米大吟醸、それら二つの純米大吟醸に粗くこした純米大吟醸のモロミを適量加えることで、薄目に白くにごったモロミ由来の「やさしい丸味」を感じながら、「華やかさ」と「酸味の効いた軽快さ」を味わえる、春のお花見シーズンに最適な純米大吟醸に仕上げました。
要素評価
今回紹介した純米大吟醸は全て、文句なしに素晴らしい香味を持つお酒です。総合評価を点数で表してみましたが、正直言って僅差です。どのお酒を飲んでも間違いないことは保証します。
香味の傾向もある程度似ているので、今回の3銘柄を見かけたら、お財布と相談しつつ、ぜひ試してみてください。
まとめ
日本酒が苦手だという人は、「匂いが苦手」「くどい味が苦手」などという理由で避ける方も多いようです。確かに、初心者の方にはそう思われやすい日本酒も存在します。
しかし、初めての日本酒が好みに合わなかったからといって、日本酒に苦手意識を持つのは、もったいないような気がします。
これから初めて日本酒を飲む人や日本酒が苦手だと思っている人は、ぜひ一度純米大吟醸を試して見てください。他の日本酒に比べて、華やかな香りと上品な味わいが感じられるはずです。